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季節はずれの花

季節はずれの花 に関する記事です。
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学校の宿題を進めるという娘を残して、10時位から散歩に出かける。

お昼までの二時間で、室見川から愛宕山を越えて帰ってこようと思って

出かけたが、今日は先日と違って暖かく良い天気。空に雲が広がって

いるが、雨が落ちてきそうな気配はなく、穏やかで高い空が頭の上を

覆っている。土曜日とあって今朝は、室見川の河川敷も歩いたり、ペッ

トを連れている人達で賑わっている。そんな中、相変わらず水鳥達を

眺めながら足を進めてゆく。

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河川敷の植え込みに咲いている紫の花。いつもとちょっとコースを変えた

だけで、真新しい風景が待っている。散歩の楽しみはこんな所にもある。

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愛宕山に登るのだから大好きな観音寺の参道から登ることにして、石段を

登り始める。先日まで色鮮やかだった桜の葉っぱも、すでに風で落ちてし

まい裸になった細い枝々が、まるで天を掴もうとするかのように空に向かっ

て手を伸ばしている。でも、その向こうの空は高い。雲よりも風よりも高い

ところから、じっと私達を見下ろしている。

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観音寺の境内に入り本堂に手を合わせた後、ふと振り返ると薄紫の彼岸花が

咲いている。最初、造花かな?と思わせるほど、鮮やかな色の季節はずれの

彼岸花は、まるで高層の衣のような、気品と美しさで笑いかけている。

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愛宕山の頂上から見る風景も、今日は遠くまで澄み渡っている。穏やかな

風の中でしばらくその風景を眺めた後、海側へ降りることにする。

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山の中腹には色鮮やかなハゼの葉っぱが、暖かい日差しを受けて輝いている。

今年はたくさんの紅葉を見た。耶馬渓の紅葉、くじゅうの紅葉、筋湯の紅葉

九酔峡の紅葉。そのどれもが、比べよう無い美しさで私の中に残っている。

また来年・・・そう言いかけて、口をつぐむ。先のことよりも、目の前の

風景に溶け込もう。この瞬間、この刹那の手触りを忘れないようにしよう。

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愛宕山を降りて、また室見川の方へ向かい歩き始める。潮が満ちて水かさが

増えた川面には、沈み駈けたボートが浮いている。そしてその向こうの空の

輝き。風景は逆光の中、色を無くし、ただ太陽の輝きだけが砕けたガラスの

ように深く、するどく水面に傷を残して行く。そしてその破片が心に刺さった

かのように、今日はその沈み駈けたボートが気に掛かる。まるで忘れ物をし

た子供のように、今日はそのことが気に掛かる。

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