叔母がくれた週末の時間

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一番年上の叔母が逝った。急性の白血病だと診断され

入院して3日目の早朝のことだった。あまりにあっけ

らかんとした死に様に、通夜の席では落涙したものの

火葬が終わってしまう頃には、カラリとした気持ちで

大往生の叔母が亡くなったことを、心に刻むことが出来た。


葬儀も滞りなく終わり、久しぶりに会う従兄弟達、叔母達

と菊池に戻り、貸し切りのような温泉に入って、母と私と

娘で作った田舎風のお煮染めで、思い出話しに花を咲かせ

ながら、酒を酌み交わす夜。きっと叔母もその話に聞き耳を

たてて笑っていることだろう。

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翌日の朝は、いつものように布団の中で息を潜めて朝を待つの

だけど、5時くらいにはとうとうしびれを切らして、朝食

の準備を始めると、母も起き出して二人で久しぶりの大人数の

料理を作る。具沢山のお味噌汁、少し甘めの厚焼き卵、ゼンマイ

の煮物、母の手作りの赤大根の酢もの、干し大根の漬け物etc・・。


一通り作り終えて、叔母達が起きるにはまだ時間があるので

従兄弟と一緒に温泉に入り、その後にぎやかな朝食。今日は

11時から納骨があるが、それまでまだ時間があるので、

菊池神社の周辺を一時間ほど散歩する。外に出ると冬の黒い

雲が空一面を覆っていて、薄暗く、湿った空気の中で昨夜の

酔いが歩くたびに少しずつ抜けてゆくのを、心地よく感じながら

朝の散歩を楽しむことにする。

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朝の散歩の帰りに入院している親父の様子を見、また少し持ち直

していることに少し安心して家に戻り、母方の実家まで移動する。

母の実家では叔父叔母が、採れたての椎茸を焼いたり、自然薯

でもてなしてくれる。先程、ご飯を食べたばかりなのに、その

椎茸の良く入ること(笑)きっと、久しぶりの親族の集合にご先祖

様も喜んでくれていることだろう。あまり食べてばかりいるので、

娘を連れて家の回りを一回りするが、さすがにこちらは風が冷たい。

カメラを持っている手が、ジンジンとしびれてくる。

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母の実家に戻りみんなで集合写真を撮った後、お寺へと向かう。お寺

で母と叔母を降ろしたあと、娘と二人で実家に戻るが、食べ過ぎたお腹

をへこます為に、今度は市内をブラブラと散歩することにする。とりあ

えず来年から娘が通うことになるだろう中学校まで行き、校舎やグランド

体育館などを見て回る。その後、知人宅へお礼に行き、叔母の葬儀の報告

して、帰り道に物産館の足湯に浸かっていると、母達もタイミング良く

来てくれて、みんなでしばらくお店の中を見て回った後、空港へ向かう

従兄弟達とは、ここでお別れをすることになる。多分何か無いと、会う

ことはなかなか出来ないが、来年くらいはこちらから足を運びたい。

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お寺から貰ってきたお稲荷と巻き寿司の簡単な昼食を済ませると、

今回の用事は全部終わったことになる。家で話していても良いのだけど

せっかく時間があるので、仙台の叔母と一緒に”あてのない散策”に

出かける事にする。空模様は小雨が降ったり、晴れたり、風が吹いたり

と何ともにぎやかな天気だが、大きく崩れる事はないだろうと、とりあ

えず”木庭(こば)”方面の高台へと向かうことにする。大体こういう

散策をするときは畑や田圃のあぜ道を選んで歩くことにするが、土手の

隅っこでひっそりと咲いている季節知らずの花達に驚かされながら

しないが一望出来る所まで上り、そこから滅多に人が通らないだろう

杉林の中の道を通り、菊池川へと降りてゆく。川に着く大きな淵があり

と多分そこは昔水泳場だっただろうと話しながら、川を上流へと向かう

事にする。

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しばらく川を歩くと畑の上に対岸へ上がる道が見えるので、その道を

登って対岸へと渡る。坂道を登り切ると昔から変わらない佇まいをした

のどかな集落があり、村の出口にはかわいい道祖神がお祀りしてある。

叔母はというと植物写真を撮ったり、木の実を見つけては喜んでいる。

やれやれ、みぞれ交じりの天気の中、二人の”あやしい不審者”の旅は、

まだまだ続いてゆく。

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村はずれにある古い神社の石段を登ると、すでに注連縄が張り替えられて

新年を迎えるのを待っている。境内から見える村の様子をしばらく眺めた

後、左手に続いている小径に迷い込むことにする。小径の土手には薄紫の

スミレが咲き乱れていて、まるで今がどの季節なのか惑わすように、可憐

な佇まいで出迎えてくれる。

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小径を抜けて綺麗に手入れされた竹林に沿って大きな道路へと降りて

振り返ると、真っ白に雪化粧をした鞍岳が、束の間の日差しの中に

その姿を現してくれた。

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幹線道路まで出ると、思っていたよりも随分遠くまで歩いてしまって

いたことに気付いたが、ついでにもう少し歩こうと言うことに決めて

幼い頃にお参りに来たことがある”鬼子母神さん”まで行くことにする。

細い道を登ってお寺に着くと、記憶のイメージと随分違っていて、お寺

を間違えたのではないか?とさえ、思ってしまった。記憶ではもっと

薄暗く、古びたお寺だったように思っていたが、いつの間にか大きな

観音様や金色の仏様が立ち並んでいて、少し悲しい気持ちになってしまった。

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お寺を出てしばらく歩きもう一度、対岸の村に渡ろうと思って川まで

降りてみたが、雨足が強くなり石が滑り始めたので、ここから引き返す

事にする。帰り道は普通の道を歩き、菊池公園を横切って家に戻ったが

3時間くらいの徘徊のような散策は、心に差した悲しい影ををすっかり

拭ってくれたようだ。
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