夏の終わりの旅-2日目/高森-宮崎

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明け方の夜空にはまだ、オリオン座がくっきりと見えている。その方向

3つ星に向けて静かに走り始めると、半袖の手足にヒンヤリとした阿蘇の

朝の風が染みこんで行く。目の前にはまだ墨絵のような外輪山と頼りない

明かりの外灯、そしてくねくねと折れ曲がって行く高森峠まで続く、緩やか

な坂道。娘のテールランプの点滅が、まるで旅の灯台のように見える朝、

2日目の旅が静かに幕を開けようとしていた。

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※ツーリングの写真はこちらです。
峠道は時折視界が開けると、朝霧に煙った高森の町を見ることが出来る。

峠までに数カ所短いトンネルをくぐるのだけど、このトンネル歩道が狭く

大型車が猛スピードで登ってくると、生きた心地がしない。避けるスペース

無いので、車の音が近づくと狭い歩道に脚をかけて止まり、すれすれを通って

ゆく車をやり過ごしながら、高森峠を越えることにする。

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峠を越えると霧が深くなり、その向こうから朝日がぼんやりと昇ってくる。

娘は”まるで、もののけ姫の世界みたい”と、この幻想的な風景に見とれている。

霧に包まれながら坂道を下り、まるで別の世界の扉が開くように、時折、霧の晴れ間

に覗く山深い風景を目に焼き付けながら、高千穂峡を目指して行く。

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奥阿蘇大橋を渡りそこから望む深い峡谷の風景に目を奪われたり、宮崎県との

境にあるループ橋と朝霧の織りなす影絵の世界に導かれながら、親子二人の

旅が続いて行く。それにしても、なんて幻想的な時間。まるでこの世界には

私達親子2人しか居ないような錯覚さえ覚えそうなこの道程は、目を覚ますと

消えてしまいそうなくらい美しく儚い。

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高千穂に着くとちょうどお腹が空いてきたので、目に止まったコンビニに入り

おにぎりを食べながら短い休憩をとる。ツーリングの時はいつもそうだけど

3時間に一度、おにぎり1個か2個食べることにしているが、それくらいの食事

さえしていれば途中、空腹に襲われることはない。それにしても、この街並みも

良い。ずっと昔からの時間が繋がっているような年輪と、優しさを感じさせてくれる。

p1180329.jpg


高千穂を出ると国道325から国道218へ左折して、延岡を目指すことになる。ここから

延岡までの間は基本的に下り坂だけど、良い頃合いの所に上り坂が待っている。そして

その合間、合間に深い峡谷があり、それぞれの橋の上から望む風景に脚をすくませたり、

ため息をついたりしながら、次第に高度を下げ、また猛暑の中へと進んで行くことになる。

途中、五ヶ瀬川沿いの道を見下ろすと、今度はその道を走ってみたいという思いに囚われ

しまう。今日と同じように高千穂から下るか、逆に延岡から登るか、それは走る季節に

よって答えが違ってくる。

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延岡が近づくに連れて気温も上がってくるようだ。陽炎が燃え立つような道を走って

延岡市内に着く頃には汗まみれになってしまっていた。このまま近くの食堂に飛び込む

のはちょっと気が引けるので、目にとまった小さな公園の水道で頭から水を被り、

汗と埃を洗い流して、国道沿いのファミレスで食事をとることにする。お昼は簡単に

すまそうと思い、娘もランチを注文して二人でペロリと平らげた後、冷房の効いた

店内でしばしお昼寝(笑)。30分くらいで携帯のアラームに起こされたが、午前中

のけだるさはさっぱりと消えていた。店を出て、ソテツやフェニックスの並木が続く

国道を宮崎を目指して走り始めると、時折遠くに日向灘が顔を覗かせ始める。

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地図で見る国道10号線はもっと海岸よりと考えていたのだけど、目に見える海岸線

は思ったよりもなくて、午後からの熱気を含んだ風をまともに受けながら走り続けるが、

日向市を過ぎる辺りからは、この暑さのせいで娘のペースが目に見えて落ちてくる。

途中のコンビニで袋入りのかき氷を買って、首の後ろに挟んで見るがこれが何とも

冷たくて気持ちいい。しばらく挟んでいるとジーンと痛くなってくるので、走りながら

位置をずらし、その冷たさに助けられながら、さらに南に下ることにする。日向市から

しばらく走ると、大きなドライブインに”太平洋”の文字が書かれている。そこに入り

芝生の公園を抜けると、目の前には娘が始めて出会う太平洋の水平線が拡がっていた。

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ドライブイン太平洋から道の駅日向までは、さほど距離はないが、暑気払いを兼ねて

小休止をとることにする。エアコンの効いた店内でソフトクリームを食べ、汗が引いた

ところで、また宮崎を目指して走り始めるが、ここから宮崎市内の入口までは、車も

多くなかなか快適な走りが出来ないし、ペースも上がらない。予定では都農から海岸線

折れて日向灘を見て走るつもりだったのだけど、今のペースだとこのまま国道を走った

方が良いと判断して、コースを変更することにする。

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宮崎市の入口の一ノ瀬川に掛かる日向大橋には、結局1時間ほど遅れて到着する。ここから

自転車道に降りて一ノ瀬川沿いを河口まで走り、その後太平洋を見ながら走ることになる。

走り始めた自転車道は、路面が荒れていたり、海岸線では砂だまりがあったりと、あまり

使われていない印象があるが、車を気にせずにすむ分、気持ち良く走ることが出来る。

海岸線を離れると暮れてゆく松林のなかを自転車道が続いてゆくが、防風林のなかと

あって風に邪魔されず走ることが出来た。

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一ツ葉有料道路の住吉ICで自転車道は一旦とぎれるが、有料道路の脇を自転車用の

細い道が続いている。料金所の案内には”軽車両 30円”と書かれていたので、料金所

に行って聞いてみると、この軽車両とは”原付”のことらしく、自転車は通行出来ない

とのこと。やむえず、脇道を走ったのだけど、日の落ちて外灯もない道には、雑草が生い

茂っていたり、松の枝が張りだしていたりして、お世辞にも安全に自転車が走れる道で

はない。もちろん、昼間だったら右手にシーガイア、左手に太平洋を眺めながら走るこ

とが出来るかもしれないが、この時間だと、その風景を伺う術はない。途中、歩道との

柵が無くなった辺りからは道路を走って宮崎市内を目指す。


予定よりも1時間遅れのままホテルに着き、チェックインを済ませ、部屋にはいるよりも

早くシャワーを浴びて、汚れたウェアをランドリーに放り込み、夕食の買い物に出かける

ことにする。コンビニでお弁当とビールを買い、幹線道路を歩いていると、ビルの合間から

また、花火が上がっている。帰ってからフロントで訪ねてみると、大淀川沿いにあるホテル

で花火を上げているらしい。それにしても、昨日今日と花火に出迎えられるとは、今回の旅

は実に恵まれている。きっと明日も、良いことが待っていることだろう。明日はいよいよ鹿

児島。桜島が私達親子を待っている。


高森-高千穂-日之影町-延岡-日向市-宮崎市

走行距離 188.7㎞ 平均速度 18.4㎞/h

高森出発 am5:00 ~ 宮崎到着 pm8:00
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