壁の日

壁の日 に関する記事です。
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今日は天気はよいのだけど、ひどい黄砂のためにボヤーっとした

なんだかしまりのない風景が、拡がっている。いつもは新緑を携えて

青く拡がっている背振から拡がる山並みも、今日は黄砂に隠れて見ること

が出来ない。黄砂を透かして落ちてくる日差しも、弱々しく感じられて

この季節に不似合いなくらい冷たい風と相まって、アンバランスな

気候を生み出している。

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土日と走れてないので、遠足から帰ってきた娘を塾に送り出した後、

日向峠から糸島峠を走ろうと、準備を済ませ出かけることにする。

2日走って無いせいか、漕ぎ出しからペダルが重い。いつもはスイスイ

と加速してゆく車体が、今日に限って地面にのめり込んでゆくみたいに

前に進まない。ギアを軽めにして、ペダリングを変えてみたりするが、

一向に良くなる気配のないままに、日向峠の坂道を登り始める。

P1130239.jpg


坂道を登り始めると、車体は尚いっそう重たくなる。まるで誰かが

後ろに乗っているような感じさえするくらいだ。ギアを変えれば

いつもなら難なく登ることが出来るこの坂道が、今日は長い。

そして辛い。そしてまだ、この重さの意味が分からないまま、

何とか峠を越えることが出来た。

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末永へと続く坂道を下りながら、このまま周船寺へ抜けて帰ろうかとも

思ったのだけど、身体は糸島峠へ走りたがっているを感じている。

こんなにも心と体がちぐはぐになってしまったのは、初めての経験だ。

いつもなら水補給をするコンビニを素通りして、そのまま川原の集落

まで続く、緩い坂道を登り始める。

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重い車体に足は疲れ切っているはずなのに、まだ坂道を登ろうとしている。

何故こんなに重たいのだろうと、思案しながら走っていると、ふと、咲き始めた

ばかりの小さな藤棚が目に付き、それに誘われるように路地へと入って行く。

藤棚に付くと咲き始めたばかりの紫の花が、黄砂を透かして落ちてくるぼんやりと

した光の中で、さざめき合っている。その花を眺めていると、不思議と心がシンと

落ち着いてくるのを覚える。そして、今日足りなかったものが腑に落ちた瞬間でも

あった。

P1130246.jpg


物事をやっていると、必ず一つの壁にぶち当たることがある。これは何かを求める

ときの試練みたいなものだろうけど、まさに今日はこの”壁”が目の前にある。

その壁が私の前に通せんぼをして、立ちふさがっていたのだ。そしてその壁が何者か

分かったときに、今日のこの練習の意味を初めて理解することが出来た。

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藤棚の奥の祠に深く一礼をして、再び、坂道を登り始める。踏み出すペダルに力を

込めると、もう車体は重くない。いつも軽さで峠道を登ることが出来る。今日は

何が何でもアウターローまでで、登り切ってやると決めて糸島峠を登り始める。

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この峠の中盤の急坂に差し掛かると、坂道の勾配が脚に効いてくる。でも、今日は

ここが頑張りどころと心に、身体に言い聞かせてペダルを踏んで行く。速度を落と

さず何とか勾配の緩くなる陸橋に差し掛かる頃には、半分涙目になってしまっていた。

こんなに練習で自分を追い込んだのは初めてだったが、今日はここまで追い込む価値が

ある1日。そうしなければならない1日だ。

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峠の頂上で倒れ込むように休むと、心臓が破裂しそうに脈打っているのが分かる。

パンパンになった脚、ぜいぜい言っている呼吸。フラフラになった頭・・・・・・。

やっと、壁を越えることが出来た。その思いが身体に染みこんで行くような

心地よさを感じながら、しばらく目を閉じることにする。

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土手に立てかけたBoyを起こし、サドルを軽く叩きながら、よく頑張ってくれたと

お礼を言って、今度は長い坂道を下り始める。粘り着くような向かい風も、黄砂混

じりのいがらっぽい空気も、今は身体に心に心地よい。いつもよりも軽い足取りで

坂道を下り終え、内野から我が家まで続く道を全力で走り抜ける。黄砂の中に落ちて

行く夕暮れの中の風景はますます霞んで行き、まだ見ぬ旅を暗示しているようだった。

P1130259.jpg


走行距離 34㎞ 走行時間 1時間31分 平均時速22.5㎞/h


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