八女・黒木・菊池ツーリング-1

八女・黒木・菊池ツーリング-1 に関する記事です。
FC2 Blog Ranking
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[RSS] [Admin] [NewEntry]

出発の朝、昨夜眠れずに少し飲み過ぎた酒がまだ身体に残っているが、

目覚ましに起こされる前の3時過ぎに目が覚めてしまう。窓を開けて

空を見上げると、夜空ながらも晴天だと言うことが分かる。そして、

今朝の風は、旅立ちを清めるように冷たく凛としている。さてこれから

走る長い長い道が、今この場所から始まろうとしている。そう、この旅は

ここから始まる。そして、ここに帰ってくる。至極当たり前のことを、

もう一度、かみしめながら旅立つ服に着替えることにしよう。


娘と簡単に朝食を済ませ、仏壇、神棚に御神酒を上げて旅の無事を祈願

した後、荷物を確認しBoy、Addieと一緒にマンションの1階へと降りる。

娘と顔を合わせて”がんばろう!”声を掛けて、最初の一歩を踏み出す。

旅に出る日はいつもそうだが、最初の一歩が重たいのだけど、今日はしばらく

走っていても、その重さが取れない。娘もペダルの重さに苦しんでいるようだが

風もないこんな静かな朝に、何故こんなにペダルが重たいのだろう。これが、

500㎞の旅の重さなのだろうか?と、悩みながらまだ暗い夜明の道を走り続ける。


P1130585.jpg

内野の交差点を過ぎる辺りから空が明るくなり、今日の快晴を約束するように

背振の山々を照らし始める。曲淵ダムへの坂道がいつもより辛く感じながら、

息が上がってくる。そしてその息も白く見えるくらい、今朝は冷え込んでいる。

ダムからも白い靄が立ち上っているのを横目に眺めながら、今日最初の峠、三瀬

まで続く坂道を登り続ける。野河内渓谷入口当たりから、山肌にも日が落ちてきて

その光を浴びると、脚の重さも次第になくなってくるようだ。トンネル手前から

旧道に入る頃には、娘もカーブの数を数えられるくらいに元気になって、朝日の

中で輝き始めた、山野草や新緑を眺めながら、いつしかポタリングモードで

走ることに決めて峠を越えることにする。

P1130593.jpg


それにしても、今日の朝日は美しい。その光に照らされた山肌も、木々も花も

家も、全てが輝いている。目的地を考えれば、ここは急ぐところだろうが、

今この時を楽しまなければ、この旅は旅でなくなってしまう。立ち止まり、

立ち止まり、シャッターをきりながら、私の中で何かが変わろうとしていた。


三瀬峠の坂道を下り、最初のコンビニでおやつ用のパンを買った後、また朝風の

中を走り始める。膝や太ももに痛みがあるのも初めてのことだけど、きっと練習

の疲れが今頃出たのだろうと、笑いながら娘と話していると、これから500㎞走る

ことなど、すっかり忘れてしまって、今このときを楽むことだけに、心が傾いて

ゆく。もうペダルは重くない。そんな私の心を知ってか、娘もニコニコ笑っている。

P1130598.jpg


佐賀大和へ降りて行く長い坂道も、風景が開けるたびに立ち止まって、カメラに

納めてゆく。この道を通るときには、いつも立ち寄る川上峡の手前のお寺の石仏に

今日の安全を祈願すると、優しい目の仏様がそっと頭なでてくれたような気がした。

お寺を出て川上峡の鯉のぼりを見ようと橋の上に立つと、娘は嬉しそうに”すごーい!”

と驚いている。そんな風に素直に感動出来る心を持って育ってくれたことに、感謝

しながら、もう一度心の中で手を合わせて、深く頭を下げることにしよう。

P1130609.jpg


佐賀大和から神埼へ抜け八女へと向かう国道385にはいると、さっき越えてきた県境の

山の麓まで青々とした畑が拡がっている。風が渡るたびに波のようにうねる麦畑、

その畑を区切るように流れるクリーク。平坦でのっぺりとした退屈そうな道だけど、

今日はそんな道ですら楽しくてしょうがない。おまけに風も一緒に走りたいのか、

この道を同じ方向へと吹いてくれる。まるで、風に手を引かれるように、麦畑と

クリークの風景の中を走り抜けてゆく。

P1130612.jpg


時折、細い川が流れていると、そこが風景の切れ間となる。句読点を打つように

流れているその川の風景を眺めながらしばし足を休めると、ああ、ここが旅の

区切りなのだと、初めて実感することが出来た。この句読点を見逃さないことが、

この旅の大事なポイントなのだろう。神様が与えてくれる、気まぐれな宿題は、

ひょんな所に答えが落ちているものだ。これでまた、私の旅が尚いっそう楽しく

なることは間違いない。

P1130618.jpg


筑後川に差し掛かり、橋の上から川面を見ると、風がさざ波をたてながら上流へと

走ってゆく。ところが橋を離れたとたん、また風は追い風に変わる。おかしな風の

吹き方もあるものだと不思議に思いながら、これも旅の神様からのご褒美なのだろうと

ありがたく感謝しながら、国道442への分岐点を目指す。

P1130626.jpg


国道442号線は休日とあって車が多いし、路側帯も狭い。それでも、ところどころに

忘れ去られたように朽ちかけた古い住宅や、その庭で延び延びと枝を広げている楠の大木

や、名前も知らない神社、駅の風景に、心を揺らせながら八女市街を目指してゆく。

国道と線路が交差する場所では、道がループ橋になっていて、ループ橋を初めて見る

娘は楽しそうにその緩い勾配を登ってゆく。ループ橋の上からは羽犬塚駅が間近に

見え、そこから聞こえてくる駅構内のアナウンスの声がまた、旅情を高めてくれる。

P1130640.jpg


ループ橋を渡りしばらく走ると、八女の商店街が見えてくる。長いこの商店街から少し

入ると白壁で有名な福島の街並みがあるのだけど、今日は不思議とそれに心が惹かれない。

長々と続く少し寂れた商店街を走りながら、旅の中ではこうやって切り捨てる所も必要

なのだろうと1人納得しながら、さらに道を進めることにする。

国道3号線を横切り少し走ったところで、お腹がすいてきたので小休止を取ることにする。

ここまで予定していたよりもゆっくりしたペースで走っているので、概ね1時間ほど遅れ

ている。今日は日向神ダムで食事を摂るつもりだったが、予定を変更して黒木で食事に

することにして、また走り出すことにする。

P1130647.jpg


黒木が近づいてくると、さっきまでの平野の風景からしだいに、山里の風景へと

廻りの景色が移り変わってゆく。長野の交差点を抜け、短いトンネルと抜けると

矢部川沿いに拡がるのどかな黒木の町の姿が現れる。そんな風景の変化が今日は

楽しくてしょうがない。これから歩を進めるたびに現れてくる風景は、いったい

どんな素晴らしい姿を見せてくれるのだろう。進むたびに心は軽く、子供のように

はしゃぎ回っている。

P1130652.jpg

スポンサーサイト

[RSS] [Admin] [NewEntry]

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://sirrus.blog94.fc2.com/tb.php/696-b908b5c1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。