300㎞ツーリング-4/夕暮と夜

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日が傾いて行く毎に色を変えて行く海辺の風景は、目を飽きさせることがない。

走るたびに違った顔を覗かせる湾と棚田、小さな港、そして遠くに影絵のよう

に見える島々。それがまるでスライドショウのように目の前で演じられて行く。

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遠く風力発電の風車が見え、その異様な人工物でさえこの風景の中では、

何の違和感もなく、同じ一つの風景としてその世界の中で息づいている。

それはまるで、夕暮れのこの一時が持つ魔力なのかもしれない。私達親子も

今は、その世界の風景の一つになれているのだろうか?

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浜野浦の棚田に着くと、この時間を待ちかねていたような人達がたむろしている。

ここの風景だけをいくら切り取っても、この風景の美しさは決して分かろうはずもない。

その前に続いているプロローブと呼べる風景を知らずして、ここに立っても

この風景は何も語りかけては来ないだろう。今まさに落ち掛かろうする夕日を

ファインダーに捉えながら、誰かがそうささやいていた。

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浜野浦を離れまだまだアップダウンの続く道を、走り続ける。娘の様子をうかがうと

気温が下がってきたせいもあってか、先程よりも元気が良さそうだ。走行時間も14

時間を過ぎているが、このまま走れるかどうかは唐津に着いた辺りで決めることに

しよう。とりあえず今は、波戸岬を目指して進むことにする。

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次第にその色を変える夕暮れの光の中を、波戸岬を目指して走り続ける。予定よりも

一時間ほど遅れているが、きっと夕暮れには間に合うだろうという確信がどこかに

あったが、波戸岬へと続く坂道を下り駐車場に入ったところで、ちょうど雲の中に

夕日が消えようとしていた。誰もいない、岬に立って今日最後の夕日が沈むのを

見守ると、その背中では満月がもう輝き始めていた。

P1160466.jpg


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波戸岬で少し休憩して、出発しようとしたら娘の自転車の後輪がパンクしている。

パンクならすぐに直るだろうと、スペアチューブに交換して空気を入れ始めると、

なかなか膨らまず、再度取りだしてみると中に異物があったのか、またチューブに

穴が開いていた。やれやれと思いチューブを取りだしタイヤ内をもう一度点検し、

パッチで修理をし、もう一度空気を入れると今度はちゃんと膨らむが、フレンチバルブ

が曲がっていて、バルブを締め付けるとそこから少しずつ空気が漏れているようだ。

プライヤーがないので、ニッパーで代用して曲がりを直すと、空気漏れも無くなった。

P1160476.jpg


波戸岬に着くまで一時間遅れだったのが、休憩の後のトラブルで、さらに遅れて

19:30過ぎに波戸岬を出発する。途中で買ったパンやお菓子を食べているので、

お腹は空いていないが、唐津に入ったら何か食事をすることに決めて呼子へ向かう

ことにする。呼子の手前で辺りは夕闇に包まれ、月明かりの中、夜間走行となる。

さて、2時間遅れとなると家に帰り着くのが午前12時を回るかもしれない。娘に

とってはかなり辛いツーリングとなりそうだが、とりあえず唐津での食事の後に

走るか、輪行するかを決めることにする。

P1160477.jpg


エピローグ

夜の玄界灘を走りながら、月夜の海の色がまるで夕暮れの色のように薄い紅色

をしているのに初めて気が付いた。車の少ない深夜の道なので、娘と併走しなが

らそんな風景のことや、日常のたわいのないことを話しながら帰る。唐津を

出るときはちょっと不安そうな顔をしていた娘も、加布里を過ぎ、芥屋を通り

過ぎると笑顔が戻ってきた。今日はその笑顔が見れないかと思っていたので、

いつもの何倍もの価値のあるその笑顔を、多分一生忘れることはないだろう。

二見浦で時計を見ると11時20分。どうやら今日中には帰れそうもないが、

ここまで弱音一つ言わず、笑顔でがんばった娘に、心から感謝したい。

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サイクルメータは、途中でセンサーの不具合で273㎞を差しているが、ここから

家まで帰れば、地図読みで300㎞を少し超える距離を走ったことになるだろう。

20時間30分ほどの長距離走。果てしなく長く、多分明日になればほどよい短さで

感じることが出来るだろうこのツーリングは、きっと今夜の満月が送ってくれた

少し早い私への父の日のプレゼントかもしれない。受け取った物は、計り知れない

程の娘の優しさと強さ。そのことにもう一度、深く感謝してこのツーリングの幕を

降ろすことにする。ありがとう、旅の神様、ありがとう、お月様、そして最愛の

娘にもう一度ありがとう。

★ツーリングの記録と娘の感想です。

★ツーリングの写真集です。(201枚)

走行距離 303.2㎞ 走行時間 14時間56分 平均速度 19.6㎞/h


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